目指すは、街で着られるオシャレなスポーツウェア!
過去と未来が交錯する、アシックス「I MOVE ME」プロジェクト
質の高いスポーツウェアで、アスリートに絶大な人気を誇るアシックス。そのウェアを、今度は街中で着られるオシャレなストリートウェアとして根付かせたい。その思いを叶えるため、ブランドアンバサダー・土屋太鳳さん主演のWebムービーとグラフィック、Webサイトを制作したのが「I MOVE ME」プロジェクトです。クオリティとスピードが求められた本制作、その裏側をお届けします。
【プロジェクトメンバー】
佐野愛/amana(トップ写真中央)
「I MOVE ME」プロジェクトのプロデューサー。多岐に渡る制作物の進行状況を把握し、クライアント、クリエイティブ双方と連携を取りながら案件を進める。
麻生 合歓ねむ/amana(トップ写真左)
本プロジェクトのプランニングを担当。これまでもアシックスのプロジェクトでプランニングを担当しており、コミュニケーション戦略からクリエイティブのプランニングまで、トータルな設計を行う。
白幡敦弘/UN(トップ写真右)
本プロジェクトのグラフィック撮影を担当。「白幡がいる現場はいつも笑いが絶えない」と言われるほど、現場の盛り上げ方はピカイチ。人物、商品共に撮影を依頼できるフォトグラファー。
Q:クライアントからの依頼内容を教えてください。
A:佐野愛(以下、佐野):アシックスのウェアは、これまでアスリート用に特化したイメージが定着していましたが、2017年秋冬からストリートウェアとしてもオシャレに着られるコンセプトに変更したいと要望がありました。ファッションの文脈ではまだ認知度が低いことが、クライアントの課題です。
Q:依頼に対して、何を企画・制作しましたか?それぞれの役割と共に教えてください。
A:佐野:アシックスのアンバサダーである土屋太鳳さんに出演していただき、動画、グラフィック、Webサイトを制作しました。私はプロデューサーとしてクライアントからの要望を直接伺い、スタッフィングや制作進行を行っています。
今回の企画はアイデア出しの段階から携わっているので、これまでもアシックスの案件を担当したことのある麻生さんにプランニングを。白幡さんにはキービジュアルをはじめとするグラフィックの撮影をお願いしています。
麻生合歓(以下、麻生):クライアントからは、過去と未来が交錯するパラレルワールドの要素、2020年に控える東京オリンピック・パラリンピックを彷彿とさせる要素を取り入れ、かつウェアやシューズなどのルックをきちんと見せたいと要望がありました。
そこで提案したのは、土屋太鳳さん主演のストーリー性のあるムービーです。彼女が出演している部分はフィクションですが、アンバサダーに就任したときの会見の様子など、ドキュメンタリー要素も盛り込みながらアシックスの活動を可視化しました。


Q:こだわったポイントを教えてください。
A:麻生:見た人が「都会で着られるウェア」をイメージできるよう、街中でのロケを数回敢行しました。渋谷のスクランブル交差点や道玄坂、代々木エリアなど、いわゆる“オシャレな街”でアシックスを着ている表現を見せています。
また、主人公は前回東京オリンピックが開催された1964年からタイムスリップしてきたという設定なので、新国立競技場など、TOKYO2020を彷彿とさせるような場所でも撮影しましたね。
佐野:さらに、ウェアの機能面を見せることにもこだわっています。
麻生:スポーツアパレルの撮影経験があれば、「この商品はこういう機能が特徴だから、この部分を見せればいい」という話ができるので、その点でも経験豊富な白幡さんには助けられました。
白幡敦弘(以下、白幡):時間が短いうえにカット数が多い撮影だったので、スピーディかつ商品を見せ、土屋太鳳さんの魅力を引き出しながら撮影しなければいけない。でも、僕は撮影現場の空気も重視したくて。
麻生:白幡さんの現場は、J-POPの懐メロが流れるんですよね。まず、流れた瞬間に皆が盛り上がる!
白幡:そうやって音楽もうまく使いながら進めました。時間がないので現場はピリピリするんですけど、楽しくやりたいですし、土屋太鳳さんにものびのびとカメラの前に立ってほしい。いつも現場の空気を重視しすることを心がけています。

Q:プロジェクトを進めるにあたり、苦労したこと、難しかったことはありましたか?
A:佐野:制作物が多く、たくさんの人が関わっていますが、すべての案件の状況を把握していないとクライアントの質問にすぐ答えることができません。動画、グラフィックなど制作物ごとに進行を調整することが大変でした。
また、エピソードごとに着用するウェアが指定されているので、決して間違えないようにウェアの管理も厳重に行いました。商品をPRするうえで重要なことですね。

Q:クライアントからの評価、世の中へのインパクトはどうでしたか?
A:麻生:タレントが出演するストーリー性のあるムービーを作ることは、クライアントにとって新しい取り組みでした。まずは、このチャレンジングなプロジェクトの実現を評価していただきました。
佐野:さらにこのキャンペーンの記者発表の際、たくさんの報道陣の方に集まっていただけて。多くのメディアに取り上げられたことも、クライアントからはとても評価していただきました。

Q:「アマナだからこそできた」と思うことを教えてください。
A:麻生:クライアントと信頼関係を築いているプロデューサーがいて、要望をもとにプランナーが企画をまとめる。フォトグラファーにダイレクトにイメージを伝え、表現できる。この一連のスムーズな流れは、アマナだからできることだと思います。
白幡:今回はプロデューサーが企業と直接やりとりしている案件でしたが、僕自身は広告代理店を介して受ける仕事もたくさんやっています。今回は、やはりクライアントとの距離が近いことを肌で感じられました。直接思いを汲み取れることで、よりよいクリエイティブを作ることができたと思います。